統合失調症 1900、2000年代
統合失調症は1990年代に入ってようやく、多くの精神科医によって変化をもたらします。
エミール・クレペリンが確立した早発性痴呆は、1911年、スイスの精神医学者オイゲン・ブロイラーによって、精神分裂症という、病気であるという形に変えられました。
このオイゲン・ブロイラーは精神分析の分野では、かの精神分析の祖といわれるフロイトや、その弟子あるユングとも繋がりがあり、ブロイラーの書は、現在においても、精神医学の教科書として、多くの精神科医に精神病理学的概念は受け継がれています。
精神分裂症は病気として認知されてから、病気の治療へと研究が進みます。
それは1952年、生化学者アンリ・ラボリが発見したクロルプロマジン(フェノチアジン系の精神安定剤)により、その治療効果の有用性が認められ、現在も治療薬として使用されています。
またこのクロルプロマジンは、単に精神病の治療薬として効用は言うまでもなく、それに加え、これまで精神病の治療は、閉鎖的な隔離病棟など、一般の病棟とは隔てた治療がなされてきましたが、この問題を解決する、開放的な治療へと導きました。
精神分裂症という病名は、もともとドイツ語がそのまま訳された形で、使われてきました。
しかし、日本語の持つ「精神」の意味は、「知性」や「理性」を現す一般的な意味と明らかに違い、この病気は、精神が分裂するという病気ではないということが、叫ばれ始めました。
そして2000年代に入って、さらに精神疾患に対する社会的偏見を解消する方法として、日本精神神経学会総会は精神分裂症という病名は、
「統合失調症」に改名されました。

